愛に気づく
私の人生はとても誇れるものだった。
選ばれた存在としてエヴァに乗り、人類を救う。
客観的にも主観的にも誇れるもののはずなのに。
でももう終わりにしたい。
輝かしいものだけじゃ生きていけないと気づいた。
人は富と名声を欲するというけれど、
愛して、愛してくれる人がいないと意味ないの。
だって私はこんなにも孤独だもの。
そんな私の居場所はずっとエヴァだった。
エヴァに乗ればなぜだか落ち着くことができた。
私の思い通りにエヴァは動くからなのだろうか。
その当時、私の思いを受け止めてくれるのはエヴァだけだった。
そんな私の人生に陰りが見えてきた。
私よりも多くの使徒を倒すシンジは私の居場所をきっと奪うだろう。
彼もまた私と同じように自分の居場所を求めていたから。
私にはエヴァしかないの、どうか奪わないでいて。
でも徐々に気づいたことがあった。
シンジは私の傍にいてくれようとしていた。
私がずっと求めていた愛という気持ち。
それは眩しすぎて、今になるまで気づかなかった。
暗かった私の人生は少しずつ輝きだした。
愛を知らない私に愛を教えてくれたから。
少しずつシンジの気持ちに応えたいと思い始めた。
これが愛だと気づいた瞬間だった。
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