僕は何を









 水面に映る僕の顔。

 酷く醜い顔をしている。



 足元にあった小石を自分の顔に投げる。

 投げて、投げて、投げて。



 いくら投げても僕の顔は消えない。

 醜く堕ちた僕はずっと水面に映っていた。



 僕は自分の顔を見つめ、泣くことしかできなかった。







 届きそうで届かない雲に、

 僕は追いつこうと必死だった。



 走っても走っても、遠くに行ってしまう。

 僕が立ち止まったとしても、

 雲は僕を避けるかのように遠くに行ってしまう。



 僕はただ、後ろから灰色の雲を傍観するしかなかった。







 僕はいままで何をしてきたんだ?

 自分に嘘をついて生きてきて、

 自分の心を閉じ込めてきて。



 ただ、楽なほうへと逃げてきただけ。



 泣いたのは、誰かに救いの手を。

 "貴方は悪くないわ。"と、誰かに同情されたかったから。

 傍観していたのは、どうせ僕は何もできない、

 そう決め付けて、蹲っていたから。







 今まで僕がしてきたこと。

 限りなく無意味に等しいだろう。



 でも僕は何か意味のあることだと信じたい。




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