僕の心で









 傷つきたくない。

 傷つけたくない。



 だからこそ、心を閉じてしまおう。

 それでも傷つくならもっと奥底に。



 僕はいつしか、そう考えるようになった。

 生きるという戦いにウンザリしたから。



 毎日が憂鬱で虚無的な感情が押し寄せる。

 まるで津波のように荒々しく、

 僕は防波堤の隅に隠れるしか術はなかった。









 アスカ、僕はどうしたらいいんだろう。

 アスカを傷つけてばかりいるのに、

 アスカに対する気持ちも全て、

 心の奥底に閉じ込めようとしているのに。

 僕はアスカへの気持ちを閉じ込めることはできない。



 どんなに奥底にへと埋めていっても、

 それ以上に気持ちが膨らんできて、

 いつの間にか抑えることができなくなっていた。





 僕の目の前で泣かないでよ、アスカ。

 胸が苦しくなってくるから。

 僕まで悲しくなってくるから。



 それでも僕は、目の前で泣いてくれるアスカに、

 嬉しいという気持ちも感じてしまう。

 僕の前で本当の姿を見せてくれてるんだって。



 勘違いかもしれないけど、

 僕にとっては凄く嬉しいことなんだ。









 僕がいてもいなくても、

 アスカが変わることなんてないと思う。



 でも、僕は僕の手でアスカを変えたい。

 傷ついているアスカを僕自身で変えたい。



 同じ境遇にいるからこそ、

 僕はアスカを支えてあげたい。





 僕なんかじゃ頼りにならないかもしれない。

 それでも僕はアスカを助けてあげたいんだ。



 傷ついてるアスカを、傷ついた僕の心で。

 アスカを抱きしめたいんだ。




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