君の隣に
心の奥底に眠る花。
その花は少しずつ大きく、強く咲き誇ろうとする。
でも、花は大きくなるどころか、
小さく、弱くなっていく・・・・・。
花は、人のように、
儚く、美しくその一生を遂げる。
思い返せば、
僕の人生なんて、
本当に価値のないものだったと思う。
いつも、寂しさと悲しさに、
僕は打ちのめされていたんだ。
花畑は、多くの花が咲き誇ってこそ、
凄く美しく輝いている。
川沿いに咲く赤色の一輪の花。
周りの黄緑色の雑草が、
赤みを帯びたその花の輝きをより一層際立たせる。
どの花も美しく輝くことができる。
咲いている場所、数。
そんなものは所詮、見た目だけ。
大事なのは、
一生懸命咲いているかどうか。
どの一年も僕にとっては同じ。
生きる場所が変わった今年も、
あの頃と何一つ変わっちゃいない。
生きる目的、場所、時間。
全てが変わったのに、
何故僕は変わらないんだ。
何故、僕は変わろうとしないんだ。
花は生き続ける。
この世に生きる生命が進化していくなかで、
花は輝きを保ちながら、咲き誇り生き続ける。
だけど、花にも最期はある。
輝きを失い、生きる力を失ったとき、
色褪せた花びらが、ゆっくりと地面に落ちる。
残ったのは、儚さ・・・だけ。
前までは輝いていた花も、
いづれは忘れ去られてしまうのだ。
何も変わらないまま生き続ける。
何の為に、誰の為に。
そんな答えも分からないまま、
本能か、それとも自分の意志なのか、
僕は只管に生きる事だけを考えて、生き続けようとする。
でも、生きるには支えが必要なんだ。
僕の支えは、アスカ、だけ。
アスカの笑顔を生きる糧にしているのは、
紛れも無い事実、嘘偽りの無い真実。
花は輝く。
だけど、輝くために必要なものがある。
全ての生命に必要なもの、水だ。
もちろん、他にも必要なものはある。
だけれども、水無しで、
この世に生きる生命が生き続けることは、不可能。
生きる糧無しに、生き続けることは、
人間にとっても、全ての生命にとって、
輝きを失うこと、死を意味する。
アスカ。
生きる目的が分からないって言ったけど、
多分、それは、それだけは分かっているんだと思う。
アスカを守ること。
これだけが僕にできることだろう。
僕が生きる上で必要なアスカを、
命の限り守ること・・・。
もし、これで命を落としたとしても、
後悔もしないし、生きたいとさえも思わない。
どちらにしろ、守れなかったら僕は死ぬんだ。
僕は誰かに縋りついて、
輝くことしか考えてないから。
川沿いに咲く一輪の花。
周りの緑にも染まらず、
ただ、赤く寂しく儚く輝き続ける。
でも、その隣にいつの日か、
僕色の花が咲き誇るだろう。
だから、それまで輝き続けて。
私はここだ。って輝き続けて。
もし、君が輝きを失い散っていっても、
僕は絶対に君の輝きを忘れはしない。
僕が忘れなかったところで、
何一つ変わらないかもしれない。
ただ、僕が生きている間、
君は永遠に輝きを失わず、心の中で咲き誇るだろう。
僕色の花が儚く散って、
また、新たに生まれ変わったとしても、
僕はキッと、君色の花の傍で咲き誇りたい。
それが僕が輝ける唯一のことだから。