君の居ない生活なんて
あれからどれだけ経ったんだろう。
いろんな事が起きすぎて、。
今どんな生活を送っているか時々分からなくなることがある。
「おはよう、アスカ。」
この変哲のない日常。
普通の学生生活を送っている今、ふと思うことがある。
"どれだけ時間が経ったんだろう。"
あの一年から一体どれだけ・・・・。
悲しみと出会いと絶望と。
人類の為に無理やり戦わされて、生き延びた一年間。
手に入れたものもあったけど、
無くしたものの方が多かった。
天秤にかければ、手に入れたものの価値の方があるんだけど。
「おはよう、シンジ。
朝御飯、出来てるの?」
この笑顔だけは失わずに済んだ。
あれからずっと、この笑顔には救われている。
「うん、出来てるよ。」
いつものように言葉を返す。
毎日、同じ時間、同じタイミングで。
「じゃあ、食べようかな〜。」
さっきよりも笑顔が眩しくなる。
とても見続けることができないぐらいに。
この笑顔に魅了され、元気が湧いてくるよ。
「どう、美味しい?」
聞かずとも分かっている答え。
だけど、聞きたくなるんだ。
"凄く美味しい"って。
「凄く美味しいわ。
シンジも腕上げたわね。」
やっぱりそういうと思ったよ。
それに、美味しいのは当たり前だよ、アスカ。
アスカの為だけに作ってるんだから。
美味しくないはずないじゃないか。
「そろそろ、学校行こうか。」
相変わらず僕達は二人で登校している。
普通は気になる人と行くのが当たり前なんだけど、
僕達にとってはこれが当たり前。
アスカの事を気にしてないっていうと、
それは嘘になるんだけど。
「そうね。早く行きましょ。」
リビングから自室へ向かうアスカの姿。
あの時の幼いイメージは無くなって、
凄く神々しいというか。
でも、アスカは前のアスカと変わってないところもある。
優しさや強さ、弱さ。
いろんなところで僕はアスカを助け、
そして、いろんなところでも僕はアスカに助けられている。
アスカ。
僕には君無しの生活は考えられないよ。
アスカの居ない生活なんて。
アスカにとっても、
僕無しの生活は考えられないのかな?
多分、アスカも同じ思いなんだと思う。
アスカ。
僕がいづれ君に相応しい、いや、自分に自信が持てたら、
君に告白しようと思う。
それまで待ってて欲しい。
絶対、君を幸せにするから。
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