煌く命 ※戦いの終焉より









 犠牲が無い戦いなんて無い。

 だけど、犠牲を出していい戦いなんて必要ない。



 ゼーレによる一方的な虐殺。

 虐殺された人達は?



 犠牲にされた人々はどうなるの?



 ただ、儚く滅び行くしかないのだろうか?









 シンジ、貴方ならどう思う?

 犠牲を出してでも、貴方は平和という理想を追い求める?

 それとも、

 犠牲を出さずに、そこにある地獄に屈服する?



 シンジなら・・・、貴方ならどっちを選ぶの?



 キッとシンジなら、自分を犠牲にして平和を求めるんだろうな。

 シンジは優しくて、強くて・・・・。

 私なんかとは比べ物にならないほど輝いていて。



 そんなシンジならキッと、その道を行くのかな。





 それなら、シンジ。

 私は、貴方についていくことにする。

 理由は一つ。

 シンジ無しでは、私は人形になってしまうから。

 心を持たない人間、廃人になってしまうのよ、私は。



 そして、シンジ。

 シンジと歩んで行く道の先に希望があると、

 私は願い、望み、信じ続けることにする。



 これは、平和でも地獄でもない。

 ただ、貴方と共に生きることができればそれでいい。

 私はそれ以上も、それ以下も望まない。











「僕には自信がある。

 アスカを守りぬいて、そして生きて帰れる自信が。」



 何よ、その目。

 そんな目で見つめられたら、

 いつものように、からかうことさえできないじゃない。



 シンジは眩しすぎる。

 シンジの姿は、私達を光り輝かせるビル群よりも、

 はっきりと煌き、輝いている。



 何でシンジはそこまで強いの?

 何でシンジはそんなにも輝いているの?



 私には分からないよ。



 違う、分からないんじゃない。

 私は分かっている、ただ気づきたくないだけ。



 シンジは全てを受け入れている。

 自分を取り巻く世界を。

 恐怖、憎悪、不安、絶望という負の感情を。





 「シンジとずっと生きていたいもん。」



 だからこそ、私は決心した。

 自分の全てを受け入れる決心を。



 シンジがいれば、

 シンジさえ傍に居てくれれば、

 私だってシンジみたいに輝けるかな?



 そう、もし輝ける日が来るのだとすれば、

 シンジか私の最期を受け入れた時か、

 シンジと私が平穏な日々を暮らせることになった時だ。



 私は後者であることを願う。
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