心の痛み









 辛いよ・・・私。



 私はシンジが嫌い。

 なのにどうしてこんな気持ちになってしまうの?



 シンジを悪く思えば思うほど、

 私の心はズキズキと痛んでしまう。



 私がエヴァシリーズと戦っている時、

 シンジは助けてくれなかった。

 あの頃の深い傷跡は今でも心に刻まれている。



 私は助けてくれなかったシンジが大嫌い。なはず。



 私に向けられるシンジの微笑み。

 その微笑みを踏みにじりたい。

 だけど、そんな事はできない。

 私の心が痛んで痛んで、痛んで・・・。



 認めたくない。

 私はシンジの事が好きなんだろう。

 いや、絶対に好きなんだ。

 大嫌いなシンジが好きなんだ。

 でも、私は認めるわけにはいかない。

 私の邪魔なプライドがそうさせている。



 できることならシンジを許してあげたい。

 でも、それもできない。

 私は素直じゃないから。



 "最低"



 シンジにいつも罵声を浴びせている私。

 いつも心が痛んでしまう・・・。



 シンジ、貴方は私の事が好きなの?

 好きなら、早く好きって言って。

 そうなれば、私も素直になれる気がする。

 でも、そんな事はあり得ない。

 シンジは絶対私の事が嫌いだ。

 何故なら、いつもシンジに酷いことをしてるから。



 鏡で自分の顔を見てみる。

 あの時と一緒だ。

 小さい頃の私とそっくり。



 シンジがいると辛いよ。

 もう消えて欲しいぐらいに。

 でも、私はシンジがいないと生きてけない。

 生きていく自身がない。

 シンジが居なくなると、

 私の心は崩壊してしまいそうで。



 シンジお願い。

 私を受け入れて。

 醜い私を受け入れて。

 それが貴方の私への"償い"。









「シンジ。」

「何、アスカ。」



 邪魔なプライドは捨てよう。

 そうじゃないと幸せになれないから。



「私ね、シンジの事が。」



 シンジなら受け入れてくれる。

 もし、受け入れてくれないなら"償い"として受け入れてもらおう。



「そ、その・・・・。」



 これが私の気持ち。

 嘘偽りに塗れたあの頃の私の気持ちじゃない。

 素直な私の気持ち。







「大嫌いなシンジが好きなの。」





 私の想いを聞いて貴方はどういう顔をしているだろう。

 私は貴方の胸に蹲って泣いているから分からない。

 でも、キッと貴方は微笑んでいるんだろう。



 私は顔をそっとゆっくり上げてみる。

 私の思ってた通り、貴方は微笑んでいた。

 今度は心が芯まで温かくなっていく感じがする。





 私を受け入れてくれてありがとう、シンジ。
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