毎日、言い続けて









 愛してるよ、シンジ。

 愛してるじゃない物足りないぐらいに。

 でも、まだ伝えれずにいる。

 伝えたいのに伝えれない。



 シンジだって愛してるんでしょ?

 だったら、早く言ってよ。

 このまま一生私を独身にするつもりなのかしら。









「アスカ、おはよう。」



 この微笑みが私のエネルギー。

 毎朝シンジがいてくれるから今の私はいる。

 シンジがいない朝なんて、私は朝って認めない。

 私の朝は、シンジがいてこそ朝になるんだもの。





「アスカ、そろそろ学校行くよ。」



 分かってるわよ、そのぐらい。

 ずっと待たせてたのはシンジでしょ。

 ずっと家事ばっかしてるから。

 ほっとかれてる私の気持ちにもなってよ。

 凄く、寂しいんだから。





「アスカ、先に帰っといて。

 今週はずっと掃除当番だから。」



 バカシンジ。

 私はそんな言葉が欲しいんじゃない。

 直ぐ終わらせるから待ってて。ぐらい言いなさいよね。

 シンジがいない時間なんて私にとって何の価値もないんだから。





「アスカ、ちょっとスーパーよってくれない?」



 何よ、その遠慮しがちな目は。

 私が断るとでも思ってるの?

 シンジと一緒にいれるなら私はどこにでもいくのに。

 ホント、バカシンジは鈍感なんだから。





「アスカ、晩御飯何がいい?」



 私が何を言うか知ってるくせに。

 ハンバーグって言っても、通用しないのは分かってるんだから。

 いっつも、健康健康って言って野菜食べさせるじゃないの。

 でも、そんなシンジも好き。

 何か大切にされてるって感じがするし。





「アスカ、どう?美味しい?」



 美味しいわよ、シンジ。

 シンジが作る料理は美味しい。

 理由は簡単。

 シンジの愛情が感じられるから。

 私とシンジ以外には分からない、隠し味が入ってるんだもの。





「アスカ、そろそろ寝ないと。」



 嫌だよ。

 また、一人になっちゃうもん。

 シンジはいいの?

 私と離れてても、平気なの?

 ワガママなのは分かってるけど、私は嫌よ。

 そう言ったら、シンジは困った顔をする。

 一緒に寝よう。って言ってくれたらいいだけなのに。









 シンジの言葉一つ一つに愛が感じられる。

 だからこそ私は、シンジにかける全ての言葉に自分の愛を込める。



 どうか、私の想いが届きますように。





 そろそろ言ってくれてもいいんじゃない?

 好きだって、愛してるって。

 だって、時間が経てば経つほど、

 もどかしくて、不安で、切なくて。

 こんな風に私を変えたのは、シンジなんだから。

 責任ぐらいとりなさいよ、一生かけてね。





「アスカ、その伝えたいことがあるんだ。」



 やっとこの時が来た。

 シンジ、伝えてくれるのね。

 もう、シンジの気持ちを受け止める覚悟ぐらいできてるんだから。

 多分、シンジと出会った日から。なんて。











「私も好き、シンジ。」



 シンジ、嬉しいよ。

 今まで生きてきた中で一番嬉しい。

 他とは比べ物にならないくらいに、嬉しいよ。



 今まで好きって言われたのは数えられないくらいある。

 私の外見に惚れて、群がる男。

 そんな男に私は魅力ってものを感じない。

 どちらかというと、感じるのは憎悪だったと思う。



 でも、シンジは違った。

 シンジは私を一人の女の子として、

 私の内面を全て受け止めてくれた。

 言葉で言うのは簡単。

 でも、人の心の闇を受け入れることは簡単じゃない。

 シンジだから私の闇を包み隠さず受け入れることができたの。



 シンジ、シンジの気持ちを私にだけ向けて。

 傲慢なのは自分でも分かってる。

 でも、シンジを私は自分だけのものにしたいの。

 誰にも渡したくない、触れさしたくもないの。



 毎日、言い続けて。

 私は弱い人間だから。

 でも、シンジの想いを毎日聞いていたら、

 強くなれる気がするの、だからお願い。



 毎日言って。



 「愛してるよ、アスカ。」って。
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