勘違いの恋









「ねぇ、アスカ。

 ホントは碇君のこと好きなんでしょ?」



「何言ってんのよ。

 私が好きなのは一つ上の学年の瑞希先輩よ。」



「そこまで言うなら信じるけどさぁ。」



「ヒカリ、最後にもう一度言っておくわ。

 私はシンジのこと好きじゃないの。」

 
 

 学校が終わるなり急いで家に帰ってきた僕。

 そして、夕食を作って、作り終えて。

 何もすることが無くなりソファにもたれかかる。



(・・・・。)



 今日は何故か凄く疲れている。

 やっぱりショックだったのかな。



(私はシンジのこと好きじゃないの、か・・・。)



 まだ告白もしてないのに振られるなんて・・・。



「はぁ・・・・。」



 無意識に溜息を吐く僕。

 そして、そのままソファにひれ伏した。



 ガチャ。



「ただいまー。」

「あ、お帰り、アスカ。」



 やけに嬉しそうな笑みを浮かべるアスカ。

 考えていたことなんてすっぽ抜けるぐらいに、

 僕の鼓動の速さが増していく。



(反則だよ・・・。

 僕のこと好きでもないのに笑顔向けないでよ・・・。)



「じゃじゃーん!どう?」



 帰ってくるなり何事かと思えば、

 男物の青と白のチェックのマフラーを見せ付けてきた。



「誰かにあげるの?これ。」



「へへ、流石シンジ、御名答。」



 男物のマフラー、か。

 となると、瑞希って人に渡すのかな。



 どちらにしても感想を早く言わないと。



「柄も綺麗だし良いんじゃない?」

「そう?よかったぁ。

 これ買ってやっぱり正解ね。」



 幸せそうだな、アスカ。



 やっぱり好きな人の事となると、

 いつもの笑顔より凄く可愛いく思えるのかな。



 僕の目の前にいるアスカは、

 いつも以上に可愛いく僕は感じた。



 






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