勘違いの恋
「じゃ、そろそろご飯食べようか。」
「うん、そうだね。」
少し憂鬱な思いを抱きながらも、
僕とアスカは和気藹々と夕食を終えた。
「ふぅ・・・。」
夕食を終えるなり、スーパーに買い物に行った。
たまには一人で夜の道を散歩するのも、また格別。
鼻歌を歌いながら僕はスーパーへと向かう。
「どうしてアスカは瑞希さんなんだろうな・・・。」
静まり返った街道を歩いていると、ふと思った。
確かに瑞希先輩は人気がある。
文武両道な上に容姿端麗、それに性格温厚。
生徒会の副会長でもある人だ。
当然、惚れて可笑しいことはない。
でも、俄かには信じられなかった。
「あの、アスカが好きだって言うからには、
もっと他に理由があるはずなだ。」
「はぁ、シンジ遅いなぁ。」
私はシンジが居なくなったリビングで、
一人寂しく紅茶を啜っていた。
「私何か嫌われるようなことしたかなぁ・・・。」
私は何もしてない。
だから、シンジは怒ってなんか無い。
私に愛想尽かして家出なんて、そんな、そんなこと・・・。
「ヒカリに、電話しよ・・・。」
居てもたっても居られなかったのか、
アスカはヒカリに電話をかけはじめた。
「もしもし惣流です。
あ、ヒカリ?」
「どうしたの?アスカ。」
「シンジが家出したのよ!」
「あら、アスカは瑞希先輩が好きなんじゃないの。
え、う、うん、そうだけど。」
「じゃあ、何で碇君のこと心配するの?」
別に好きとかそんな気持ちじゃないわよ。
心配なだけなんだから、ただ、それだけよ。
ガチャ。
「あ、シンジ・・・。」
「アスカ、どうし」
プツッ・・・・。
「アスカったら、ホント素直じゃないんだから。」
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