死にたいのに、でも・・・
逃げちゃ駄目だ・・・・・・。
そう自分に言い聞かせながら、
僕は毎日学校へと足を動かす。
逃げてはいけない、という想いだけで、
僕は毎日学校に通っていた。
そんなとき、隣のクラスに美少女が転校してきた。
名前は惣流・アスカ・ラングレー。
文武両道・頭脳明晰、それに人当たりもいい。
来て早々、凄まじい人気を誇っていた。
でも、僕からいわせれば、手の届かない人。
僕のような平凡、いや、それ以下の人間には、
届きそうも無い、次元も違うと思っていた。
「はぁ、死にたいよ。
何もかも終わってほしい。」
兵装ビルを夕焼けで彩っている景色。
僕はいつも、学校帰りに、通っていた。
ここは誰もいない、いるのは僕だけ。
それが何より心地よくて、気が楽だった。
コツ コツ コツ コツ
寝そべっていた僕は、忍び寄る足跡に耳を傾けた。
近くにあるコンテナの影へと身を隠す。
何故か体が、反射的に動いた。
さっきまで近寄ってきた人が誰なのか。
建物の影に隠れていたから誰か分からなかったけど、
今、ようやく分かった。
惣流・アスカ・ラングレー。
燃える炎のような赤い髪は、
夕焼けの赤色とは違って、
しっかりとした存在を持っていた。
「はぁ、疲れるわね・・・・。
外見だけ取り繕うのはもううんざり・・・・。」
いつもとは違う雰囲気を醸し出している彼女。
なんでだろう、同じ彼女でも、どこか同じじゃない。
そこにいたのは、堂々と生きている彼女ではなくて、
弱弱しく、一人嘆いている彼女だった。
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